研究ラボ紹介

共同研究

脂質導入による膜特性評価と細胞死の誘導

研究代表者:菅 恵嗣 物質創成専攻・化学工学領域

共同研究者:Tonya L. Kuhl University of California, Davis

共同研究者:林 啓太 奈良工業高等専門学校物質化学工学科

脂質とその集合特性から切り開く新規な治療戦略を目指して

近年,細胞外から分子を導入してがん細胞などを治療する戦略の一環として,Lipid Therapyという分野が注目されています.細胞膜は,脂質(Lipid)やタンパク質より構成される分子集合体です.そのため,膜を構成する脂質の種類や周囲の環境に応じて膜特性が変化し,その結果としてシグナル伝達や物質移動,細胞死に関連すると考えられます.即ち,脂質分子が細胞膜において“どのように振舞うか”を解明する事ができれば,脂質分子を薬として応用する新たながん治療へと発展する事が期待されます.そこで,本研究では,各種の脂質分子を膜に導入し,能動的に膜特性を変化させる事で細胞死を誘導するメカニズムについて検討します.

脂質分子を水中や基板上で自己集合させる事により,細胞膜を模倣したモデル系や脂質分子の輸送担体を設計する事ができます.これまでに,治療に効果的な脂質分子が報告されてきましたが,それらが膜特性に及ぼす影響については注目されていませんでした.そこで,私たちが独自に開発した評価手法を応用する事で,脂質導入によって膜がどのように変化するかを解明できると考えられます.具体的には,膜同士の接着力を評価するSurface Force Apparatus,分子のラマンシグナルを増強させるMembrane Surface-Enhanced Raman,蛍光プローブ解析などを活用します.得られた知見に基づき,細胞膜の特性を能動的に変化させる脂質分子の開発も試みます.脂質膜の研究において,分子と集合体特性,そして機能誘導の関連については未解明の部分が多く,科学的視点と工学的視点を融合させる事により,脂質とその集合体を基盤とする治療戦略に貢献できると考えられます.

 

種々のモデル生体膜ならびに輸送担体を調製し,脂質導入による膜特性の変化を観察する.細胞膜特性を能動的に変化させる脂質を開発する事により,細胞死や細胞機能の制御を目指す.

種々のモデル生体膜ならびに輸送担体を調製し,脂質導入による膜特性の変化を観察する.細胞膜特性を能動的に変化させる脂質を開発する事により,細胞死や細胞機能の制御を目指す.

  

参考URL

http://www.dma.jim.osaka-u.ac.jp/view?l=ja&u=10000881&k=%E8%8F%85%E6%81%B5%E5%97%A3&kc=1&sm=keyword&sl=ja&sp=1

http://www.membranome.jp/B-ICE/member/70/28.html