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アモルファス/結晶ヘテロ構造を用いた熱・電気同時制御による高性能透明熱電材料の創製

研究代表者:石部 貴史 システム創成専攻・電子光科学領域

本研究は、ナノ技術により、環境低負荷な透明熱電材料を開発するものです

現在、化石燃料の枯渇問題が深刻化しており、新しい持続可能なエネルギー源が求められています。エネルギー消費量に目をやると、人間が使用できているのはわずか30%であり、70%は熱として捨てられています。そこで、廃熱を電気に変換可能な熱電変換が、新しいエネルギー源として注目されています。しかしながら、現状、熱電変換効率が低いため、実用化が難しいという状況にあります。熱電変換効率は、無次元性能指数(∝(ゼーベック係数)2×(電気伝導率)/(熱伝導率))の単調増加関数で表されます。このため、無次元性能指数の向上が熱電材料開発の鍵と言えますが、これらの三物性値にはトレードオフ関係があり、無次元性能指数の向上は、そう簡単ではありません。近年、ナノテクノロジーの発展により、ナノ構造を用いた熱電材料開発が盛んに行われています。ここでは、ナノ構造界面により、熱伝導が妨げられ、劇的な熱伝導率低減が引き起こされます。このナノ構造技術は、材料を選ばず、汎用的であるため、安価・無毒な軽元素材料ベースの“環境にやさしい高性能熱電材料”の実現が期待されるようになりました。しかしながら、従来のナノ構造界面は、熱伝導の抑制と同時に、電気伝導率やゼーベック係数を低下させるため、結果として、社会応用可能なほどの変換効率には到達していません。

 そこで本研究では、原子レベルでのナノ構造界面制御技術を駆使することで、熱伝導率低減と電気伝導率維持、さらにはゼーベック係数増大を狙います。ここでは、低熱伝導率、高電気伝導率を有するアモルファス材料にナノ構造を導入し、究極の熱伝導率低減を引き起こします。それに加えて、制御したナノ構造界面での電気伝導制御により、ゼーベック係数増大も実現します。また、こうした戦略を実行する場として透明半導体を選ぶことで、ガラスなどの透明材料にも応用可能な熱電材料の開発が期待できます。

 

高性能熱電材料開発に向けた戦略図.

高性能熱電材料開発に向けた戦略図.

 

参考URL

http://www.adv.ee.es.osaka-u.ac.jp/