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ニアラブルセンシングを用いた軽度認知症患者の生活リズム・生活環境サイクル解析

研究代表者:金子 美樹 機能創成専攻・生体工学領域

ニアラブル生体センシングで認知症初期段階の特徴を明らかにする

今,世界では3秒に1人が認知症を発症しているといわれています.世界保健機関(WHO)は,2050年までに認知症患者が1億3150万人になると予測しており,世界的にみても認知症の増加は重要な課題となっています.特に,超高齢社会の日本では,認知症患者の割合が先進国の中で最も多く,2025年には高齢者の5人に1人が認知症患者になると見込まれています.

認知症の課題として重要なことは,早期発見・早期治療です.初期段階に生じる症状や体調・行動の変化に早期に気づき,適切な治療を行うことで,その進行を大幅に遅らせ,長期にわたって初期段階の軽度な症状で日常生活を送ることが可能となるといわれています.しかし,日常の中でその変化に気づくことは難しく,医者にかかる頃には既に症状が進行・悪化してしまっているケースも多くあります.そのため,日常的に体調や生活リズムの変化を観察するシステムの確立が望まれています.

日常的な観察を可能とする代表的な手段として,『ウェアラブルデバイス』が挙げられます.現在,ウェアラブルデバイスにより,身に着けるだけで気軽に自身の生体データを観察できるようになりました.しかし,その一方で,介護が必要な高齢者にとっては,『毎日身につけなければいけない』ことが困難であったり,本人の負担となってしまうことがあります.

本研究では,高齢者が負荷を感じずに長期計測するために,部屋やベッドに設置するだけで計測可能な『ニアラブルデバイス』に着目しました.初期段階の認知症患者と健常高齢者の日常的な生体データを計測し,認知症の初期段階に見られる特徴を明らかにすることで認知症早期発見の課題解決を目指します.ニアラブルデバイスは,身に着けなくて良い,という利点がある一方で,外乱の影響を受けやすく,測定・解析方法にまだまだ課題が残る挑戦的なデバイスではありますが,実生活に寄りそった計測方法の確立を目指したいと思います.

 

本研究の概念図

本研究の概念図

 

参考URL

http://kiyono-lab.bpe.es.osaka-u.ac.jp/