トポロジカル超伝導体はMajorana準粒子を創発し、その非可換統計性を利用することで、トポロジカル量子計算を実現できる。これまでに、物質におけるトポロジカル超伝導の立証に向けて多大な努力がなされてきたが、未だ解明には至っていない。トポロジカル超伝導を立証するためには、超伝導秩序の対称性を完全に解明するか、トポロジカル性の証拠となるMajorana準粒子を検出する必要がある。しかし、トポロジカル超伝導を実現する秩序変数を解明する実験手法も、Majorana準粒子の直接的な検出手法も明らかではなく、そのような手法の解明が喫緊の課題となっている。 スピン三重項超伝導体では、クーパー対がスピン1を運び、トポロジカル相を実現することが知られている。本研究では、クーパー対のスピンを基盤とするスピントロニクス現象を理論的に明らかにし、それらを用いてスピン三重項超伝導秩序の対称性およびMajorana準粒子の検出法を確立することを目指す。

参考URL

http://www.fujimotolab.mp.es.osaka-u.ac.jp/