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災害対応可能な超変形柔軟履帯クローラの開発研究

研究代表者:渡辺 将広 システム創成専攻・システム科学領域

履帯の形状適応性により受動機構でも高い不整地走破性を実現

本研究は,従来のクローラ型ロボットに必須とされてきた転輪やテンショナを排除し,履帯自体の大変形によって高い段差を乗り越える柔軟性を備えた新しいクローラをさらに発展させ,不整地環境における小型移動体の走破性を飛躍的に向上させることを目的とする.背景には,地震や爆発などの災害現場で被災者を迅速に発見・救助するため,危険区域に人に代わって進入し,情報収集を行える小型ロボットの必要性がある.そのためには,高い段差や深い溝,狭隘部といった踏破困難な環境を移動し,これらを簡便な遠隔操作で実現できることが求められる.研究代表者らはこれまでに単輪クローラのコンセプトを提案し,基礎動作を確認するとともに,機体高さの1.4倍の段差乗越えを達成した.受動機構によるため追加モーターを要さず,構造もシンプルである.一方,履帯の柔軟性に起因して溝越え性能や軟弱地での推進力不足,過大変形による走行不能といった課題が残されていた.本研究ではこれらの問題を克服するため,新たに変形制約型の履帯を導入する.これは,段差方向には大変形しつつ,接地反力方向の不要なたわみを抑える変形異方性を備え,段差・溝双方の乗越え性能の両立を可能とする.内部機構と新規履帯の設計・試作を行い,標準試験法に基づく段差・溝試験によりその性能を検証する.

 

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単輪クローラのコンセプト

 

参考URL

https://sites.google.com/pumech.sys.es.osaka-u.ac.jp/index/home